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2021.04.13 | パッシブデザインコラム :パッシブデザインコラム
古民家の断熱改修
パッシブデザイン住宅・パッシブリノベ・古民家再生の
自社設計・自社施工一貫体制の株式会社ラーバンの高谷です。
いまさらですが住環境における断熱性能は
住まい手の健康にとって非常に大事なことでありこれからの
既存建物の改修工事においてもますます
重要なポイントになってきます。
今回は古民家の断熱改修工事の紹介をさせていただきます。
まず床下ですがボード状の断熱材を使っています。
断熱性能が高いフェノールフォームで厚みは66 mmです。
床の大引下地の間に一枚一枚寸法を計りカットした断熱材を
隙間なく敷き詰めていきます。
壁の充填断熱部分と天井については
当初熱抵抗値Rは2.4(m2・K/W)のロックウールの計画でしたが、
さらに高性能なグラスウールを採用しました。
こちらの熱抵抗値Rは3.3(m2・K/W)と当初の断熱材の約1.3倍の
性能があり、より室内の保温性を高めてくれます。
また壁と天井にはこのあと気密フィルムを貼っていきます。
古民家ですが隙間を少しでも少なくするための工事です。
既存土壁部分などは極力壊したくないという考えで、
内側に新しく木材で下地をつくり
フェノールフォーム断熱材厚み45mmをこちらも隙間なく
はめこんでいく予定です。
新築とは違い古民家の断熱改修工事の場合、
既存の状況や様々な制約があり部位ごとの納まり等も
現場ごとに異なることが多く設計段階の予定から現場にて
判断し変更せざるを得ない場合も多くあります。
部分ごとに寸法等も異なるため一つ一つが大工さんの
手作業となり想定以上の手間もかかってしまいます。
それでも快適な空間とするため、当初の性能目標をクリアできるよう
臨機応変にそして丁寧に施工していくことが一番大事だと思います。